通販広告は売場であり、有能なセールスマンだ
通販広告は、販売機能のほかに一般広告と異なる点も多い。
ます、一般の商品広告や企業のイメージ広告は、商品の価値や便宜性、実用性あるいは企業イメージを消費者に植えつけ、ある時間的経過の中で繰り返し働きかけることによって、最終的に売上げに結びつけるのが目的である。
それに対して通販広告は、顧客にすぐに購買行動を起こしてもう
うことが必要で、そのためにさま
ざまな士夫がなされる。いわば、店舗でおこなわれる販売活動や販売促進活動が通販広告の上で展開されるととになる。
「通販広告は売場であり、セールスマンである」といわれるが、魅力のある届舗に客が集まるように、広告のうまい企業が売上げを伸ばすことにもなる。
そう考えると、一般広告よりも、通販広告の方が独自の展開ができ、また届舗販売より優れた訴求、が可能である。たとえば、
①商品写真と文章でていねいな説明ができる
②価格や商品の独自性など訴求点をクローズアップして、購買の意思決定を迫ることができる
③商品関連の生活情報だけではなく、感性に訴える情報を提供して顧客の共感を得て購買に結びつけることができる
④ストーリー性をもった展開ができ、広告全体に統一性のあるテーマで訴えることができる
⑤各種のセールスブロモーシヨン(販売促進活動)も可能などといったことである。
このように、通販広告は顧客と企業を結ぶ重要な販売ツールとしての役割をもつが、もう一つ大事なのは、すぐに購買行動を起こしてもらうための工夫である。
広告業界では、「A-DMA(アイドマ)の法則」を利用した心理作戦が展開されるが、通販の場合は、「A-DA(アイーダ)」となる。この流れは時間的に連続していて最後のアクションまで行って初めて通販広告が成功したといえる。以下にポイントをあげるので、
⑥A=アテンション(注目)
まず「おやつ」とさせるようなインパクトを与え、強烈な印象で注目させる。
⑦I=インタレスト(興味)
次には、相手にさまざまなベネフィット(利益)があることを提示して、興味をもたせる。
D=デザイアー(欲望)
「使ってみたい」「買いたい」という気持ちにさせる。「おいしい部分」を繰り返して弾調。
A=アクション(行動)
安心、納得、期待して注文、申込みが簡単など、すぐに行動を起こしてもらう工夫をする。